ましんつ~るまがじん~vol.216~

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 ・今日のコラム………… 2016年 暦年受注の概要

 ・統計更新情報………… 受注短観 終了のお知らせ

 ・編集後記……………… 2017年の行方(T)

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◇ 今日のコラム
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○2016年 暦年受注の概要
 

 【受注総額】 1,250,003百万円 (前年比 84.4%)

   2016年の工作機械受注額は、前年比15.6%減の1兆2,500
   億円となりました。2年連続の前年比減少ながら、6年連続で1兆円を
   超えました。

   このうち、NC工作機械は、1兆2,247億円(同15.5%減)で、
   受注額全体に占めるNC工作機械の比重は98.0%(同0.1pt増)
   で、3年連続で過去最高比率を更新しています。

   月間の受注額は、4月、8月、10月に1千億円を下回る月が見られま
   したが、内需では補助金やJIMTOFの展示会による押し上げ、外需
   では、自動車関連のスポット受注などにより、16年の月間平均受注額
   は、1千億円超えを維持しました。

   なお、外需比率は、2.8pt減の57.6%に低下しました。

 

 【内需】 530,545百万円 (前年比 90.5%)

   内需は、4年ぶりに減少しましたが、昨年に続き2年連続で5千億円を
   超え、5,305億円(前年比9.5%減)となりました。

   年上期は、補助金の採択待ちなどにより、やや低調に推移しましたが、
   補助金採択後の6月以降は、昨年から続く企業収益の改善などを背景に、
   補助金効果やJIMTOFの展示会効果などもあって、400億円/月
   を超える受注が年末まで継続しました。

   業種別では、全11業種中10業種で前年実績を下回りましたが、多く
   の業種がリーマンショック以降の最高額を記録した昨年との比較であり、
   受注水準自体は低いものではありません。
   

               金額(百万円)  前年比
    一般機械         207,113     93.4
     うち金型        30,778     95.6
    自動車          174,853     85.7
     うち自動車部品     115,986     80.7
    電気・精密          45,882     95.5
    航空・造船・輸送用機械  30,076     96.6

 

 【外需】 719,458百万円 (前年比 80.4%) 

   外需は、前年比19.6%減の7,195億円と、2年連続で減少し、
   3年ぶりの8千億円割れとなりました。

   昨年半ばまで見られたアジアのEMS関連特需が年間を通じて発現しな
   かったことや、海外経済の不透明感から全地域的に伸び悩み、円高の進
   行も相まって、年半ばには、600億円を下回る月も見られました。
   一方、年末にかけては、スポット受注や季節要因もあり、再び600億
   円を超える受注となりました。

   地域別にみると、アジアは同35.3%減の2,869億円で、このう
   ち、中国は、同36.2%減の1,628億円で3年ぶりの2,000
   億円割れとなりました。

   中国向けは、ベトナム(同84.9%減の79億円)と同様、EMS関
   連特需の剥落の影響を受けたほか、ユーザの資金繰り悪化などの影響を
   受け、日本製工作機械の需要が弱含みで推移しました。

   その他のアジアでは、シンガポール、フィリピン、インドネシアなどで
   増加したものの、域内でのウエイトが高いタイやインドが減少するなど、
   まだら模様となりました。

   欧州は、Brexitなど各種リスク要因が潜在するなか、同0.9%
   減の1,794億円と、横ばい圏内の動きを維持しました。国別では、
   EU主要国のドイツが同7.5%減(459億円)、イギリスが同
   0.8%減(222億円)、フランスが同16.0%減(191億円)
   と減少した一方、政策効果が見られたイタリアで同9.3%増(232
   億円)、自動車関連投資に動きのあった中欧が同17.0%増(187
   億円)、その他のEUが同18.2%増(273億円)など前年比増加
   し、EU全体でも同0.9%増(1,564億円)となりました。
 
   北米は、同7.4%減の2,372億円と、6年連続で2,000億円
   を上回り、高水準の受注が継続しました。アメリカ(同10.8%減、
   2,027億円)では大統領選挙に伴う慎重な動きや、一服感がうかが
   われ、年央以降200億円/月を下回って推移したものの、メキシコ
   (同56.9%増、244億円)で自動車向け投資が堅調に推移し、北
   米受注を下支えしました。
   
   
             金額(百万円)  前年比
    アジア        286,933     64.7
     うち東アジア    218,766     66.9
     うちその他アジア    68,167     58.4
    欧州         179,437     99.1
    北米         237,247     92.6

 

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◆ 統計更新情報
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○受注短観 終了のお知らせ

毎月下旬に公表しておりました、受注短観(短期受注観測調査)につきまして、
2016年12月分を持ちまして、調査を終了することといたしました。

今後は、日工会受注に関する公表は、受注速報、受注確報になりますので、
何卒ご了承ください。

 

■ 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

○2017年の行方

 2017年が始まりました。

 今年は、米国の大統領交代や英国のEU離脱など、国際関係が大きく変わる
 可能性を秘めており、業界にとってプラスとなるのか、マイナスとなるのか
 非常に不透明で、まったく予想がつきません。

 工作機械業界も、IoTや積層造形の進展など、変化が起こる可能性を秘め
 ています。

 所属部署では、報道機関やアナリストに受注状況などを説明する機会も多い
 のですが、2017年の業界見通しについて、個人的な意見を聞かれると、
 どのように答えたらよいか、考え込んでしまいます。

 皆様はどのように見通されているでしょうか。

 ただ悪い方向に行かないことを切に願つつ、今年一年、精一杯業界のために
 努力していきたいと思います。  
 

(T)

 

次回、Vol.217は2017年2月9日(木)に配信予定です。

毎度最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
次号もよろしくお願いします。  

 

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