ましんつ~るまがじん~vol.410~

INDEX

 ・今日のコラム………… 2023年 暦年受注の概要

 ・統計更新情報………… 2024年2月分受注速報発表

 ・最新情報……………… 1.「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等
              の大規模成長投資補助金」公募開始のお知らせ

             2.令和6年度「技能検定」申請受付期間について

 ・編集後記……………… 東日本大震災から13年(S)

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◇ 今日のコラム
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○2023年 暦年受注の概要

 【受注総額】 1,486,519百万円 (前年比 ▲15.5%)

   2023年の工作機械受注額は、3年ぶりの減少で、前年比▲15.5
   %の1兆4,865億円となりました。コロナ禍からの回復を牽引した
   ペントアップ需要や半導体関連需要、自動車関連需要が落ち着き、不動
   産不況による中国の減速もあり、3年ぶりに1兆5,000億円を下回っ
   たものの、過去7番目の受注額を記録しました。

   このうち、NC工作機械は、1兆4,630億円(同▲15.3%)と
   なりました。受注額全体に占めるNC工作機械の比率は98.4%(同
   +0.2pt)と、8年連続で98%を超えました。また、受注総額の
   外需比率は同+2.2ptの67.9%となりました。

 

 【内需】 476,821百万円 (前年比 ▲21.0%)

   内需は、3年ぶりに減少し、前年比▲21.0%の4,768億円と3
   年ぶりに5,000億円を下回りました。

   2022年後半まで受注を牽引したコロナ禍のペントアップ需要や部品
   不足に伴う能増投資、半導体関連需要等が徐々に落ち着く中で、底堅く
   も緩やかな減少傾向が年間を通じて見られ、2023年後半は400億
   円を下回る月が多く見られました。

   業種別にみますと、全11業種中10業種で前年比減少となりました。
   主要4業種では「航空機・造船・輸送用機械(同+7.0%、202億
   円)以外は前年比10%以上の減少となりました。特に、半導体関連で
   の受注が多い、「電気・精密(同▲33.3%、577億円)」、内燃
   機関、EV関連の投資がどちらも低調な「自動車(同▲25.3%、1,
   006億円)」は大きく減少しました。その他の業種でも、「商社・代
   理店(同▲32.8%、46億円)」、「金属製品(同▲27.2%、
   368億円)」が20%を超える減少となりました。

 

               金額(百万円)  前年比
    一般機械         203,557    ▲16.4
     うち金型        28,189    ▲18.2
    自動車          100,588    ▲25.3
     うち自動車部品     73,519    ▲20.9
    電気・精密        57,702    ▲33.3
    航空・造船・輸送用機械  20,172    + 7.0

 

 【外需】 1,009,698百万円 (前年比 ▲15.5%)

   外需は、3年ぶりに減少し、前年比▲12.7%の1兆97億円と3年
   連続で1兆円を超え、過去6番目の受注額となりました。

   アジアでは中国を中心に減少しましたが、欧州、北米は強いインフレ懸
   念にも関わらず底堅く推移し、円安傾向もあって月平均841億円と堅
   調な水準を維持しました。

   地域別にみますと、アジアは3年ぶりに減少し、前年比▲23.2%の
   4,276億円で、3年ぶりの5,000億円割れとなりましたが、4
   千億円台の受注は維持しました。

   このうち、東アジアは同▲28.3%(3,198億円)で、韓国(同
   ▲24.0%、250億円)、台湾(同▲43.5%、203億円)、
   中国(同▲27.3%、2,740億円)が軒並み前年比2割以上の減
   少となりました。特に中国では、前年の受注を牽引したEMSやEV関
   連投資が大きく減少し、不動産バブル崩壊による経済の不安定化もあり、
   設備投資は伸び悩みました。

   その他アジアは、多くの国・地域で前年割れとなる中、唯一好調だった
   インドが増加したことで、同▲2.8%の1,078億円と3年ぶりに
   減少しましたが、2年連続で1,000億円超えとなりました。インド
   (同+26.5%、511億円)は、自動車関連を中心に堅調に推移し
   たほか、半導体やEMS関連の受注も増加し、一般機械と電気・精密が
   過去最高額を更新し、インド計も初の500億円超えで過去最高額を記
   録しました。

   欧州は、2022年2月からのロシアによるウクライナ侵略、イスラエ
   ル軍とハマスの戦闘が続くガザ地区などの地政学リスクに加え、エネル
   ギー問題や金利高等の影響が懸念される中にあっても、3年連続で前年
   比増加し、同+1.1%の2,335億円と過去4番目の受注額となり
   ました。

   国別では、EU(同▲3.9%、1,699億円)域内のドイツ(同+
   6.3%、565億円)、“その他”(同+2.7%、384億円)が
   ともに過去2番目の高水準の受注を記録したほか、“その他西欧”のト
   ルコ(+38.9%、227億円)、スイス(+27.9%、148億
   円)は、統計区分開始(2015年)以来の最高額を2年連続で更新し
   ました。

   北米は、同▲6.9%の3,206億円と3年ぶり減少も、2年連続で
   3,000億円を超え、過去3番目の受注を記録しました。アメリカ(
   同▲9.6%、2,820億円)は、自動車で日本と同様、やや回復が
   遅れているほか、金利高によりジョブショップの動きがやや鈍かったも
   のの、医療やエネルギー関連、航空宇宙関連を中心に堅調に推移し、過
   去3番目の受注額となりました。また、カナダ(同+15.3%、19
   9億円)は3年連続の増加で、過去最高額を2年連続で更新しました。
   メキシコ(同+21.9%、187億円)は、3年連続で増加となりま
   した。

 

             金額(百万円)  前年比
    アジア        427,594    ▲23.2
     うち東アジア    319,796    ▲28.3
     うちその他アジア  107,798    ▲ 2.8
    欧州         233,543    + 1.1
    北米         320,586    ▲ 6.9

 

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◆ 統計更新情報
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○2024年2月分受注速報発表(3月11日15時公表)

https://www.jmtba.or.jp/machine/data

  速報(2024年2月分)

         金額(百万円) 前月比  前年同月比

   受注総額    114,154   102.9    92.0

   うち内需    32,490   106.2    83.5

   うち外需    81,664   101.6    95.9

 

 ※ひとこと
   2月の受注速報を見ますと、受注総額は前月比2カ月ぶり増加、前年同
  月比14カ月連続減少で、2カ月連続で1,200億円を下回りました。
   このうち内需は、前月比で2カ月ぶり増加、前年同月比で18カ月連続
  減少となり、2カ月連続で350億円を下回りました。国内投資環境は力
  強さに欠ける中、補助金待ち等の影響もあり、様子見感が続いています。
   一方外需は、前月比で2カ月ぶり増加、前年同月比は14カ月連続減少
  で、2カ月連続で850億円を下回りました。前月からは微増で、4カ月
  連続で800億円超えとなり、前月から大きな状況の変化はなく、底堅く
  推移しています。
   地域別の額など2月の受注に関する詳細は、3月26日の確報発表時に
  改めてお知らせ致します。

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◇ 最新情報
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1.「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」
公募開始のお知らせ
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 3月6日(水)より、令和5年度補正予算の施策の一つである「中堅・中小
企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」の公募が開始されま
した。

 本事業は、地域の雇用を支える中堅・中小企業が、人手不足等の喫緊の課題
に対応し、成長していくことを目指して行う大規模投資を促進することで、地
方における持続的な賃上げを実現することを目的としています。

 以下URLを参照の上、適宜ご活用いただければと思います。

【中堅・中小 成長投資補助金 トップページ】
 https://seichotoushi-hojo.jp/

【概要】

・予算額:総額3,000億円(令和8年度までの国庫債務負担含む)
     ※令和5年度補正予算1,000億円

・補助上限:50億円(補助率1/3以内)

・補助事業期間:交付決定日から最長で令和8年12月末まで

・補助対象者:中堅・中小企業
       (常時使用する従業員数が2,000人以下の会社等)
       ※単体ベース

       ※一定の要件を満たす場合、中堅・中小企業を中心とした共同
        申請(コンソーシアム形式)も対象
       ※みなし大企業や実施する事業の内容が農作物の生産自体に関
        するものなど1次産業を主たる事業としている場合は補助対
        象外

・補助事業の要件:1.投資額10億円以上
           (専門家経費・外注費を除く補助対象経費分)
         2.補助事業の終了後3年間の対象事業に関わる従業員等
           1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が、事業実施
           場所の都道府県における直近5年間の最低賃金の年平
           均上昇率以上

・1次公募締切:2024年4月30日(火)17時まで

 

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2.令和6年度「技能検定」申請受付期間について
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 令和6年度技能検定の受験受付が開始されます。技能検定は働くうえで身に
つける、または必要とされる技能の習得レベルを評価する国家検定です。受験
申請受付期間が近づいておりますのでご注意ください。
 

 日程など技能検定の詳細につきましては、都道府県職業能力開発協会へお問
い合わせください。

 技能検定申請受付期間:4月3日(水)~4月16日(火)

 技能検定制度ポータルサイト  https://waza.mhlw.go.jp/

 

■ 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

○東日本大震災から13年

 東日本大震災から13年が経ちました。改めて、震災で犠牲となられた方々
とそのご家族の皆様に心よりお悔やみ申し上げます。また、今なお避難生活を
続けられている皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

 本メールマガジンは、震災発生の約1カ月前、2011年2月9日に創刊号
を配信致しました。今年で13年を迎えることになります。受注統計や日工会
の活動紹介、各種イベント情報をお届けするために続けて参りましたが、現在
に至るまでマガジンをお読みいただいている皆様に改めて感謝申し上げます。

 なかなか、全てをご紹介しきれていない面もございますが、もし、マガジン
にこういった情報を載せてほしい、マガジンのデザインや構成をこのようにす
れば良いのでは?などご意見がございましたら、日工会事務局までお寄せいた
だければ幸いです。今後ともよろしくお願い申し上げます。

(S)

次回、Vol.411は2024年3月26日(火)に配信予定です。

毎度最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
次号もよろしくお願いします。  

 

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【ましんつ~るまがじん】

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