ブラザー工業株式会社

ブラザーのグローバル展開 ~ミシンから情報通信機器へ~

グローバル展開

麦わら帽子製造用環縫ミシン(昭和3年)
麦わら帽子製造用環縫ミシン(昭和3年)
CNCタッピングセンター3万台達成
CNCタッピングセンター3万台達成
ラベルライター P-touch ハローキティ
ラベルライター P-touch ハローキティ
薄型デジタル複合機 MyMio(マイ・ミーオ)
薄型デジタル複合機 MyMio(マイ・ミーオ)

ブラザーは、通信・プリンティング機器(デジタル複合機、FAX、プリンターなど)、電子文具、家庭用ミシン、工業用ミシン、産業機器の、開発・製造・販売を行っている、名古屋から世界へ展開している企業です。
連結の売上高は4,385億で、うち海外が75%。海外生産の比率は8割を超え、世界32カ国(地域)に18の生産拠点・39の販売拠点をもっています。

ミシンで創業

当社の創業は明治41年、舶来のミシンの修理販売を行う「安井ミシン商会」として業を興しました。
昭和3年に「麦わら帽子製造用環縫ミシン」(写真) を販売開始、昭和7年には「国産の家庭用ミシンの量産化」に成功、昭和9年には「日本ミシン製造(株)」として株式会社を設立いたしました。「ミシン」というのは「ソーイングマシーン」を語源とする和製英語ですから、当社は日本の機械(マシーン)製造業の担い手の1つとして発展してきた会社といえます。多数の精密部品を組み付けて完成するミシンを開発することは、同時に生産設備の内製化を必要とし、産業機器(工作機械)の事業の萌芽にもなっています。

いち早く海外進出

創業の精神として、「働きたい人に仕事を作る」「愉快な工場を作る」「輸入産業を輸出産業にする」の3つが伝えられています。当時は、舶来のミシンしかほとんど流通していなかった時代ですが、夢のまた夢である「輸入産業を輸出産業にする」を掲げていました。
「BROTHER」という商標も、「輸入産業を輸出産業に」の想いから、英語を使ったものが検討されました。もともとミシンは女性が使う道具であったこともあり、実は「SISTER」としたかったようなのですが、既に登録済であったため再考し、創業者が兄弟であったことから、「BROTHER」となりました。
 戦後の昭和29年、海外市場を担当するブラザー・インターナショナル(株)を東京・京橋に設立、同年、ニューヨークに拠点を立ち上げ、日本企業の中でもいち早く海外に進出し、自社フランドを自社の海外販売網で売るための体制をつくりました。

情報通信機器のブラザー

 ミシンで培われたプレス技術は「編機」に発展、さらにメカ式の「欧文ポータブルタイプライター」を昭和39年に開発。昭和46年には「世界初の高速ドットプリンタ」を開発するなど、家電・楽器・工作機械などへ事業展開されました。
 昭和62年にはファクリミリ・レーザープリンターの発売を開始。SOHO (スモールオフィス・ホームオフィス) 市場にターゲットを絞った商品企画・販売戦略が成功し、「全米FAXシェア7年連続ナンバー1(PTR調べ、1994年~2000年)」になるなど、情報通信機器を中心とした業態に移行してきました。
 その後、プリンタ・コピー・スキャナー・電話などを一台にまとめたデシタル複合機などに注力、インクジェットやレーザーなどプリンティング事業を強化しています。また、子会社の(株)エクシングが「通信カラオケJOYSOUND」を運営、現在は携帯の着メロの配信サービスがコンテンツビジネスとして大きな成功を収めています。(既存事業を見直し、コアビジネスを情報通信機器へと移行させていった近年の経営については、安井義博(現会長)著『ブラザーの再生と進化』生産性出版)にまとめられています)

マシナリー&ソリューションカンパニー

現在、当社は、市場・ビジネスモデル別に、3つの社内カンパニーを設けています。そのうち、マシナリー&ソリューション(M&S)カンパニーが、工場をお客様とし、生産現場に“ソリューション”を提供することをミッションとして、工業用ミシン と 産業機器(工作機械)という創業以来のビジネスを担当しています。
ミシンの鋳物に穴をあける精密加工技術から発展したタッピングセンターは、昭和55年にNC(数値制御)を導入し「CNCタッピングセンター」の販売を開始。近年、市場規模が大きくなり、平成13年には累計2万台だったのが、昨年、平成17年1月に累計生産3万台(写真)を達成いたしました。

At your side.

当社のパンフレットや名刺には「brother」のロゴには「At your side」の文字を加えています。これは「ブラザーは『モノ創り』を通じていつも『お客様のそばに』います」という意をこめたものです。また、ブラザーグループのビションにおいても「At your sideな企業文化の定着」が示され、お客様第一の発想が「At your side」という言葉にのせて、今まで以上に社員に広がっています。
本誌をご覧いただく皆様におかれましては、当社について、産業機器(工作機械)あるいはミシンのイメージで親しんでいただいている方が多いかと思いますが、この5~6年の間に、国内においても、情報通信分野の商品を目にしていただくことが多くなりました。
 家庭用FAXは、平成11年に国内シェアはわずか3%だったのが、現在どちらの家電売場でも見ていただけるようになり、薄型デジタル複合機「MyMio (マイ・ミーオ)」(写真)は、独自の小型プリントエンジン採用で驚くほどスリムなことで話題を集めています。世界シェアNO.1のラベルライターも、海外同様の「P-touch (ピータッチ)」(写真)のブランド名をつけて、大手家電ショップで見かけることが多くなりました。
今回のご紹介を機に、家電やOAのショップでも、「At your side」を目指した「brother」の商品をご覧いただければと思っています。

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