津根精機株式会社

金属切断機に拘って40余年 超硬丸鋸切断機で新たな展開

世界遺産五箇山(ごかやま) 合掌集落 黒四ダム 越中八尾おわら 富山湾(ブリ・ホタルイカ) 大正・昭和年代初期の「乳母車」
 世界遺産五箇山
(ごかやま)
合掌集落
 黒四ダム  越中八尾おわら  富山湾
(ブリ・ホタルイカ)
大正・昭和年代初期の
「乳母車」

〈創業から工作機械業界参入まで〉

昭和38年発売当初高速弓鋸盤「C-220型」
昭和38年発売当初高速弓鋸盤「C-220型」

弊社が位置する富山県は、自然と産業がバランス良く配置され、今年7月5日に全面開通した東海北陸高速自動車道によって縦横に走る高速道路網が整備され、さらに利便性が増し、環日本海貿易の輸出3港が整備されている県として全国からの注目を集めています。
さて、弊社の創業は今から91年前の大正6年(1917年)であります。
当時は、幼児用乗り物の乳母車や室内椅子、スケータ(現在で言うキックボード)、スキー用金具等の製造販売をしていた「津根良商店」であります。
紆余曲折はあったと思われますが、順調に推移していました。しかしながら、昭和10年代から20年初頭になってから世情が大きく変化し、世界戦争の影響をもろに受け、国策として軍事産業への転化が強要され、業種転換をせざるを得なくなりました。
そのことで、遊具類の製造販売が中止となり、本格的な鉄工業の業態となりました。それを機に、昭和18年(1943年)法人組織とし社名を「津根鉄工株式会社」としました。

高速弓鋸盤「C-300型
高速弓鋸盤「C-300型

やがて、第二次世界大戦が終戦となり、混迷の時代となったのでありますが、何とか乗り切り、日本経済勃興期の昭和38年(1963年)になって、金属切断機である「高速弓鋸盤」と鋸刃再研磨用「自動鋸刃研削盤」の製造販売に着手し、工作機械業界に参入したのであります。
社名も再度変更して、現社名の「津根精機株式会社」としました。

〈技術提携で、基礎技術の習得〉

自動鋸刃研削盤「AS12ーDA・GTA-1」
自動鋸刃研削盤「AS12ーDA・GTA-1」

いざなぎ景気の後押しもあって、好調な売れ行きに支えられ、国内での知名度も上がったことで、台湾、韓国、東南アジアへの輸出を始めたのが、1970年代であります。国内では自動車産業が開花し、破竹の勢いで伸び、車造りの初工程である鋼材切断の「量と質」の改善が求められ、自動化、無人運転ができる金属切断機開発が急務となりました。そこで、自社開発の限界を打破すべく、その業界屈指のドイツメーカーと技術提携してラインナップを図り、新技術の修得と自社固有技術の研鑽に励みました。
これは、弓鋸切断機、鋸刃研削盤から丸鋸切断機、帯鋸切断機までに及び、昭和42年(1967年)から昭和55年(1980年)まで行われました。
ところが、いざライセンス生産してみると、どの機種においてもそのままでは日本の国情に合わず、数えきれないくらいの改善、改良を加えなければなりませんでした。そのようなこともあって、今はライセンス生産しているもの無く、全機種自社ブランドのオリジナル機で賄われています。

ライセンス生産丸鋸切断機「KLN2型」 帯鋸切断機「TC-405A型」
ライセンス生産丸鋸切断機「KLN2型」 帯鋸切断機「TC-405A型」
世界初開発機全自動式超硬丸鋸切断機「CSC11-90AL」 中径材切断用超硬丸鋸刃(カーバイトチップソー)
世界初開発機全自動式超硬丸鋸切断機「CSC11-90AL」 中径材切断用超硬丸鋸刃(カーバイトチップソー)



特に近年は、超硬丸鋸切断機が主流となり、全世界でここ10年間20社以上が新規参入して、ニッチな市場にかからわず、熾烈な競争が展開されています。
その中にあって、弊社は中径材(φ50mm前後)用の「全自動式超硬丸鋸切断機」を昭和57年(1982年)世界に先駆け開発し、同時に鋸刃の開発にも成功しています。
丸棒鋼材切断機には、弊社が製造している弓鋸、丸鋸、帯鋸切断以外にプレス(チョッパー)があります。
いずれの場合も、切断のみで完成品となるのが稀で、そのほとんどが2次加工が施され、NC旋盤、フライス盤、マシニングセンタ、プレス、冷間鍛造機、焼き入れ、研磨と複数工程を経て完成品と仕上がりますが、一段と自動化が進んでいます。
しかしながら、その精度は年々厳しく、外観の出来映え(美意識)も要求されます。切断工程にも精度は勿論のこと、切断面の粗さ(面粗度)、バリ・カエリの無きことが機械導入の条件として掲げられようになりました。
当然ながら、その条件を100%叶える切断機は現存しません。
妥協するか、二次加工を備えた機械とするかのどちらかであります。
そこで、両端加工機能を備えた複合加工機の開発に着手することにしました。
それは、加工素材を自動給材機から切断機に送り込み、定寸切断・製品取り出し・次材送り込み・反転・両端加工・計測・製品排出工程の一連動作を1ステーションで行う「全自動式切断両端加工機」の開発で、平成元年(1989年)完成しました。

全自動式切断両端加工機「CKM9-70PL」 切断面取り複合加工自動化ライン「ML2」
全自動式切断両端加工機「CKM9-70PL 切断面取り複合加工自動化ライン「ML2」


〈金属切断機の総合企業を目指して〉

弓鋸切断機、帯鋸切断機、丸鋸切断機、両端加工機、切断複合加工機からメタルソー、特殊工具、超硬チップソーに至る機械と刃物まで一連の事業展開している金属切断機メーカーは全世界に類はありません。
超硬丸鋸切断機で特記するならば、最小径がφ1mmから最大φ460mmの自動切断ができる機械のラインナップが揃い、それらに使用される超硬チップソーの供給とメンテナンスが提供できるのが弊社の強みであります。
また、お客様のニーズに的確に対応することに心がけ数多くの自動化ラインを完成して参りました。
弊社の社訓「誠実・努力・創造」と「和」を企業理念として、絶えず時代を見据えた企業に邁進したいと考えています。
「安全・安心・エコも会社の品質」と掲げ、弛まぬ技術革新で地球の明日に繋ぐモノづくりに心がけ、お客様の満足度向上と地域・社会に貢献できる会社として歩み続けたいと思っています。
これからも、ご支援よろしくお願い申し上げます。

本社工場工機事業部正面 大形丸鋸切断自動化ライン「TK7M-300GL」
本社工場工機事業部正面 大形丸鋸切断自動化ライン「TK7M-300GL」
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