高松機械工業株式会社

ニッチな市場に≪稼ぐ機械≫のヒントがある

本社社屋
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工作機械
本社
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CNC旋盤 X-10(ローダ搭載)
CNC旋盤 X-10(ローダ搭載)
スリム旋盤 USL-300
スリム旋盤 USL-300
開発センター
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クリーンルーム完備
クリーンルーム完備

四季の移ろい美しい北陸にて

緑深まるこの季節、松任市(まっとう)から白山市へと生まれ変わって、最初の夏を迎えようとしています。
本年2月、当社が位置する白山市は、1市2町5村が合併、霊峰“白山”の懐から流れ出る“手取川”の源流域から日本海に注ぐ河口域まで、石川県内最大規模の市へと生まれ変わりました。清らかな水と豊かな自然に育まれ、当社は、50余年の歴史を、この北陸の自然と共に歩んできました。
さて、まずは当社の生い立ちからお話しましょう。

面取旋盤から高機能旋削システムヘ

当社の創業は、戦後の復興期にあった1948年(昭和23年)9月、高松喜一(故人)が金沢市で機械部品加工業を興したことに始まります。下請け仕事に加えて、農機具や石切り機などの試作製造を手がけた時期もあります。
そして、10年余の創成期を経た1960年(昭和35年)1月、当社は“母なる機械”と呼ばれる工作機械の製造へと歩を進め、その技術的魅力に取り憑かれた人間集団を形成することになります。最初の製品化は「面取旋盤T600」で、卓上旋盤と普通旋盤との中間需要層に狙いを定めた“メントリー”は近代工業化に向けて設備増強へと取り組むユーザの皆様から圧倒的支持を得て、製品開発の第1弾が幸い超ロングセラーとなりました。
ちょうどその頃、冷間鍛造技術の革新によって塑性産業の重点が1次加工から2次加工へ移行しはじめたことも当社にとっては“追い風”となりました。 続いて、1974年には低価格で加工精度が高く、さらに加工ワークに適した豊富なオプション(治工具類)を選択できる「油圧自動二次加工機」を開発し、愛称を“メリター”としました。その命名には『顧客へ最大メリットの提供を!』とする熱き思いが込められておりました。“メリター”は以後、技術進化と市場ニーズの吸収消化を重ねながら、機種のワイドレンジ化とともに当社の経営基盤拡充に大きく寄与してまいりました。75年からは海外輸出にも乗り出しました。“メントリー”から“メリター”へと変遷してきた当社製品開発の基本姿勢には、お客様にとって常に≪稼ぐ機械≫であり続けたいとする一途な願いが込められており、それは今日に脈絡する当社の基本理念でもあります。

時代を先取りし過ぎて失敗

“メリター”シリーズのお陰でオイルショック不況を難なく乗り越えることができた当社は76年10月、小型工作機械では国内初のCRT装置付き「CNC旋盤TCC-8」を開発し、第8回日本国際工作機械見本市(東京・晴海)で披露しました。同機は、作業者が直接キーインできるテープレスMDI方式で、FDDの標準装備によりプログラム記憶量はテープ数百m分に相当。機械本体はスラント構造とし、切粉処理にも工夫を凝らしました。それは当時、まさに画期的な新機種の登場であり、多くの入場者から強い関心をお寄せいただきました。しかし、TCCシリーズの販売は不調に終わりました。理由は『使い方が解らない』という人々が多く、時代を先取りし過ぎて失敗した事例の1つであります。しかし、失敗は成功の母であります。78年春にはタレット型(TCC-5)を、79年9月には「高速精密旋盤EM-2」、80年10月に「同EM-1」の開発に成功して、当社のCNC時代に即応する一連の製品化戦略は大きく進化を遂げます。
次に、技術開発上の3つのエポックをご紹介致します。

飽くなきオリジナリティの追求

山椒は小粒でも、ピリッ!と効き目のある機械を設計開発したい。そんな願いから当社技術陣は、コツコツと独創技術の開発を積み重ねてきました。その成果として、94年秋に発売した「CNC旋盤 ?-10」は本体価格390万円という値頃感が人気を博しました。それはかねて“価格革命”に独創性を注入してきた当社製品開発成果の1つであります。

低価格化と高機能化のマッチレース

お客様のニーズをキメ細かく吸収し、≪稼ぐ機械≫の提供を究極のテーマに掲げるTAKAMAZ製品は、これまで時代、時代ごとに数々の“ヒット製品”を生み出してきました。その“高打率”が今日、激しい市場ならびに技術競争がウズ巻くFA関連業界にあって高松機械工業の“棲み分け”領域を確定し、加えてR&D投資活動のより効率的展開が、独自の“個性”生成に弾みをつけてきたものと自己分析しております。お陰さまでTAKAMAZ製品を購入設置いただいたユーザ各位からは2台目、3台目のご注文を頂戴し、リピートオーダ率は約9割台に達します。それはCS(顧客満足度)を測るバロメータであると同時に、当社には嬉しくも厳しいビジネス環境の設定であります。リピートのご注文には、既納入機械に対してなんらか機能アップが必要条件であり、ご贔屓スジにおける単位時間当たり利益(利益速度)をいかに極大化することができるか、常に技術的な改善工夫と新しいアイデアの提供が求められます。顧客の皆様に≪稼ぐ機械≫を提供し続けることは、すなわち“費用対効果”の極大化を追求することであり、そのために当社技術陣は、低価格化と高機能化の激しい“マッチレース”を繰り返しております。幸いにも現在、工作機械業界は、自動車産業の牽引により活況を呈しておりますが、ユーザ各位が『よい製品をより安く』と熱望されるのは今も昔も至極当然であり、直近のヒット機種“?-10”は、発売から約10年間で、5500台もの生産実績を更新しております。そして次世代を担う新製品として、間口幅が300mm以下という超スリムなCNC旋盤「USL-300」を2004年2月に開発、同年10月に開催されました「JIMTOF2004」では、他業界からも高い評価をいただきました。そして本05年5月には、その姉妹機として、取付けツール数の増大と、主軸回転速度の立ち上り時間短縮を目指した「USL-480」を開発し、徐々にそのコンセプトが受け入れられはじめ、浸透し始めております。

経営の三本柱実現を目指し

工作機械以外の経営の柱を模索する部署を5年前の新設し、ようやくその効果が見え始めました。IT関連製造装置事業の一環として一昨年竣工した当社開発センターでは、第6~8世代へと大型化する液晶へ対応するためのボンダー製品などの生産設備を整え、製造しております。

今後も企業体質を強化させ続け、業績向上・利益確保による企業成長を志向してまいります。

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